バービー!バービー!バービー!
二日連続配信!
さすが夏休み🍉
イェイ。
公開初日に観てきました。バービー。
アメリカでの公開以降、日本でも(フェミニズム中心の僕のタイムラインでは)話題沸騰だったので。
※以下、ネタバレを含みます。ご注意!!
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感想としては「すごい!」。
「面白い!」より「すごい!」。
いや、ちゃんと面白いんです。でも個人的に「このシーンいる?」と感じたシーンなんかもいくつかあって、映画の「面白さ」的には大満足!という所まではいかなかったんです。まぁ、でもそれってダンスシーンだったり「ここで感動してね」シーンに個人的に乗れなかっただけで、そこが楽しめる人にはもっと面白いと思う。個人差というか好みの問題の範疇だと思ってください。
けど、とにかく「すごい!」のは間違いない。
どうすごいかって、僕があれこれ書くより北村紗衣さんのこちらのレビューを読んでください。
映画『バービー』レビュー──作品と“バーベンハイマー”対応に見る「創造主の地位の簒奪」 | GQ JAPAN
批評の力ってとんでもないですね。感動するレビューでした。
というわけで、すごい映画でした。
以上おわり。
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って思っていたら、昨日ツイッターである漫画家の感想ツイートが炎上してましたね。こちら↓
有名な漫画家さんらしいですね(僕は漫画を読まないので知らん)。
このツイートはなかなかのものです。フェミニズムの授業で次のような課題が出たら、模範解答として満点がもらえそうです。
フェミニズムやジェンダー論を全く理解していない人が、映画『バービー』を観たとして想定される典型的な感想を140字以内で答えよ。
この典型的なアンチフェミニズム的な感想を映画の制作陣は完全に想定しているだろうし、おそらくこれを見たら鼻で笑うと思われます。
「みてみて!ほんとに来たよ!まじウケる!」
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北村紗衣さんのレビューにある通り、この映画は構造的にかなり複雑に設計されていて、その「映画の構造」の多くが「フェミニズム的な構造」に対応するように作られている(と僕は考えています)。
かな~~り単純化して言うと、
<リアルワールド>(我々の生きる”現実世界”であり、映画の中で描かれる”アメリカ”)の「男性優位社会」に対して、<バービーランド>を「女性優位社会」(=反「男性優位社会」)として設置し、弁証法的にアウフヘーベンしようとしている
のではないかと。
多くのフェミニズム作品が「男性優位社会と闘う女性」を描いたり、「ミラーリング」(女性が受けている差別を男性にそのまま反転させることで差別の酷さを浮き彫りにする)の手法を使ったりする。これに対して映画『バービー』はひとつの映画の中でその両方をやりながら、さらに「その先」へのアウフヘーベンを目指しているのだと思う。
だから、「すごい!」。
(ただ、僕としては「その先」の描き方が少し雑では?と思ったりもしている。もちろん「その先」について現状「答え」なんてないし、簡単に描けるものではないことは分かる。でも、もう少し思い切って描いてみてほしかった。いや、それこそ現実世界<リアルワールド>を生きる我々が見つけないといけないことなのかな。がんばります)
このおきさんのツイートも興味深いですね。
横にも縦にも広がっているこの映画の構造(とそれに対応するフェミニズムの構造)のどこまでを見るか(見えるか)によって、「無知な人にフェミニズムの基礎を説明するレベルの内容」と捉える人がいることは容易に想像ができます。
「ネオリベ自己実現の肯定に留まり」というのは、半分くらい同意するかな。たしかに終わり方はそう見えなくはない。でも、そこに至る過程も合わせて考えれば、単純に主人公の定番バービーが、あのあとネオリベ自己実現で終わるとは思えないけどな。もし続編があれば、そのあたりは気になるところ。
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SNSでは「映画バービーは性差別への理解度を試すリトマス試験紙だ」という話が盛り上がっているけど、それはその通りだと思う。きっと僕にも見えていないものや理解できていない部分がある。
まぁとにかく、まだの人はまずは観てみて。
そして恐れずに感想をつぶやこう。
リトマス試験紙の色の意味は、自分では分からないさ。
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