こんにちは。中村佳太です。
今回は『ナカムラケイタのお悩み相談室』の第5回です。
現在お悩みを大大大募集中ですので、これを読んだ方で「自分も相談してみよう」と思った方は「お便りフォーム」からお寄せください。お待ちしています。
それでは、今回のお悩みです。
はじめまして、Twitterでお見かけしてお送りします。相談内容は、同じチームの上司(私)と部下で恋愛関係に発展したものの、いつ周りに打ち明けるか悩んでいるというものです。
私と部下は見た目は女性同士です。私はXジェンダーでパンセクシャル、恋人で部下は性自認は女性ですが女性ものの服などは好まず、デミロマンティックだと思っていたという人間です。色々あって今は恋人同士になっています。
同じチームの中には、私を盲信的に好いている子(恋愛感情または独占欲のようなもの)も1名おり、私たちの関係を打ち明けると修羅場になりそうな雰囲気です。また、有難いことに他の部下たちも信頼を寄せてくれているようです。
また、少々メディアに露出するような仕事をしている為、男女ではない恋人関係を話すことに少し抵抗もあります。恋人が傷つくのを見たくないと思ってしまいます。
それならば静かに隠れて付き合おうかと最初は話していたのですが、最近それが苦しくなってきました。他の子たちを裏切っているような気がしたり、なぜ私が自分の幸せを隠さなきゃいけないのかと悩んだりしています。
チームの平穏のために黙っておくべきでしょうか。それとも、話してしまった方がいいのでしょうか…。
(もも)
Twitterで知ってくださったとのこと、ありがとうございます。お便りいただけて嬉しかったです。あと、お返事が遅くなってしまってすみません!!(汗)
まずは、ももさんとパートナーさんが恋人同士になられたことを祝福させてください。「色々あって」とのことなので、ご苦労も多かったのだろうと想像します。本当におめでとうございます。
お悩みは「周り(職場)の人たちに恋人同士であることを打ち明けるかどうか」という内容。
まず大前提として、打ち明けないことを「隠している」とか「裏切っている」と感じる必要は全くありません。ももさんとパートナーさんとの関係は、ももさんとパートナーさん二人だけのものであって、親族であろうと友人であろうと同僚であろうと「知らせなきゃいけない」なんてことはありません。知らせるも知らせないもお二人の自由であるということをまずはお伝えしておきたいです。なので、「打ち明けないと悪いような気がする」という点がポイントなのであれば、「そんなことは絶対にない!」と、僕は声を大にして言いたいです。
◇
次に、相談文からは「自分たちの関係を周りの人に知って欲しい」「幸せであることを周りの人に知って欲しい」といった感情も、打ち明けるかどうかのポイントになっているように僕には読めたので(違っていたらごめんなさい。。)、その点について僕なりの考えを書いてみたいと思います。
自分の幸せを誰かに分かってもらえたり、共有できたりすることはとても嬉しいことです。でも、それが共有された相手にとっても嬉しいことかというと、そうではないこともあります。普段は一緒に喜べる関係の相手でも、その人がたまたま恋人と別れた直後だったら悲しみに追い打ちをかけてしまうことだってあるかもしれません。なので、一般論として、自分の幸福を周りに打ち明けることは、あくまでも自分の側の欲求であると認識することが大切ではないかと僕は思います。
相談文に「チームの平穏のために黙っておくべきでしょうか」とありましたが、状況からしてチームの平穏を乱すことがご自身で分かっているのであれば、打ち明けたい欲求と、平穏が乱されることによるダメージを冷静に想像することが重要ではないでしょうか。ダメージというのは、失恋することになるチームメンバーとの関係やその他の人間関係の混乱もそうなのですが、そこから生じるパートナーさんやももさん自身のダメージも大切にしてほしいと感じます。
現状、残念ながらセクシュアルマイノリティであるという理由でダメージがより大きくなってしまうことは多分にあり得ます。そのことについては、ももさんたちの責任ではなく、マジョリティ側に完全に責任があります。社会を変えていく責任を僕も含めて社会のひとりひとりが自覚し行動していくことが必要だと考えています。
◇
最後にちょっと無責任かもしれませんが思ったことを言うと、打ち明けたいと思ったとき、もしその後色々大変になったら転職しちゃうっていうのも手だと思います。
パートナーさんのことは書かれていなかったので分かりませんが、少なくともももさんは、チームを任され、部下の人たちからも信頼されている優秀な方とお見受けします。であれば、打ち明けてみないと実際にはどうなるか分からないチームメンバーとの関係にモヤモヤと頭を悩ますよりは、打ち明けたいという想いを貫き通し、それで上手くいかなかったら別の会社へ移ってしまうというのもひとつの方法です。
どちらにせよ、パートナーさんと時間をかけてじっくりと話し合って、おふたりにとって納得のいく方法を見つけてください。その選択が良い結果になることを心から願っています。
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